ボンゴはこんな楽器~楽器の特徴、演奏方法、ボンゴが活躍する曲をご紹介

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

コンガ、ボンゴ、ジャンベ

パーカッション楽器のひとつ、ボンゴについてご紹介します。
パーカッションの中ではコンガとともによく名前を知られている楽器ではないでしょうか。
でも、たくさんある太鼓の中で「どれがボンゴ?」と聞かれると、「これかな?」くらいの方もいらっしゃるかも?

ここではそんな方向けにボンゴに関する情報をまとめてみました。
楽器の特徴、演奏方法からボンゴが活躍する曲・動画まで、わかりやすく一気にご紹介します!

これがボンゴ!

ボンゴはこのように、大きさの異なる2つの太鼓が連結された形をしています。
コンガやジャンベなどと比べると、小さめの太鼓です。
どのくらいかというと、このくらいの大きさ ↓↓(小さめだけど、ずっしり重いです)

ちなみにコンガはこちらです。

こちらは連結していません。1本で使ったり、2本以上で使うこともあります。
サイズはボンゴよりかなり大きく、このくらいです!

では、ボンゴについて詳しく見ていきましょう。

コンガについては、ジャンベと一緒にこちらでご紹介しています ↓

ボンゴのつくり

伝統的なボンゴは、木製の胴(シェルといいます)に、打面として皮を張って作られていました。
(打面のことをヘッドといいます。)
今も木製に皮のボンゴは多いですが、シェル、ヘッドともにプラスチックやファイバーグラス製のものもあります。

大きさの違う2つの太鼓は、小さい方をマチョ(macho、スペイン語で男性の意味)、大きい方をエンブラ(hembra、スペイン語で女性の意味)と呼びます。

楽器の大きさからも想像できるかもしれませんが、コンガなどと比べると音程(ピッチ)は高めです。
特に小さいmachoは高音にチューニングして使う(強く張る)ことが多く、カーンと高い音でよく響きます。
(チューニングはナットをレンチで回して、ヘッドの張りを調整します)

トリプルボンゴもあります!
LP202AW ↓(画像のリンクはサウンドハウスさんの商品ページです。)

歴史

ボンゴはコンガやティンバレスなどと同じく、アフリカを発祥とする太鼓です。
17~18世紀にアフリカから送り込まれた人々によりキューバに持ち込まれて発達して、今のボンゴの形になりました。

また、キューバでの労働の合間にアフリカの人々によって伝承されてきた音楽が、奴隷解放後さらに発達し、そこからサルサやラテンの音楽が生まれたとのことです。
(サルサはラテンのジャンルのひとつ)

ボンゴはもともとはラテン音楽で使われていた楽器ですが、現在ではジャズやポップスなどでも多く使われています。
ボンゴの特徴は、高音が響いて目立つことと、”小回りがきく感じ”(細かい演奏がしやすい)ではないかと思います。
このため、ボンゴ単独で使われる以外に、コンガなどと組み合わせてアクセントとしてフィルインやソロで本領を発揮する楽器にもなっています。


※ちなみにティンバレスはこちらです。シーラ・Eの演奏が有名ですね!

演奏方法

ボンゴは一般的には手で叩いて演奏します。(スティックを使う場合もあります)

小さい方を左に置く

ボンゴは、奏者からみて小さい方を左にして演奏します。
ボンゴを習うとき、一番最初に教わることかもしれません。

ボンゴのセッティング

足の間にはさむ

ボンゴは伝統的には、座って足の間(膝の内側ぐらい)で支えて、手で叩いて演奏します。

ボンゴの演奏スタイルというとこのイメージがあるかもしれません。

でも、ボンゴは見た目より重くて、この体勢は慣れないと実は大変なのです。
(個人の意見です)
私もこのスタイルで演奏を習ったことがありますが、足で支えるのがきつくて挫折しました。


ボンゴスタンドを使う

ボンゴをスタンドに固定して演奏する方法もあります。

このようなボンゴスタンドを使って演奏しているのを見ることも多いと思います。
他のパーカッションと組み合わせて演奏する場合は、スタンドを使わないと他の楽器を演奏できないし、ボンゴだけを演奏する場合にスタンドを使う方もたくさんいらっしゃいます。

ボンゴには足ではさんで演奏するのには向かない形や重さのものがあり、その場合はやはりスタンドを使った演奏が多くなると思います。

ボンゴの選び方はこちらの記事にまとめました。(足ではさんで演奏するスタイルとの関係は”リム”のところにあります)

奏法

ボンゴの奏法としては、オープンとミュート、ヒール&トゥ、モフ、スラップなどがあります。
左右の太鼓で音程をつけるほかに、叩き方によっても音程をつけることができます。

ボンゴで一番特徴的なのは、指先でマチョ(小さい方の太鼓)を叩いたときの高音でよく抜ける音ではないでしょうか。
曲の中でこれが聞こえると、ボンゴだ!とすぐわかります。
とはいえ、エンブラ(大きい方の太鼓)の低い丸みのある響きや、ヒール&トゥの小さくリズムを刻む音があってこそのボンゴ。
大小の太鼓と叩き方でいくつもの音色を使い分けて、豊かなグルーブ感が生まれます。

ボンゴが使われているおすすめの曲・動画

ボンゴが使われている有名な曲、おすすめの動画をいくつかご紹介します。
ボンゴの音はよく響くので聴こえやすく、どの曲もわかりやすいと思います。

Tank!/菅野よう子とSEATBELTS

ボンゴがかっこいいと超有名な曲です。
日本を代表するパーカッショニスト三沢またろうさんの演奏。

序盤からボンゴが響いて、曲もほんとにかっこいいです。
ちょっと短いバージョンの演奏ですが、時々ボンゴが映るのでパーカッション好きには嬉しいところです。

Apache/Incredible Bongo Band

ストリートダンスをする方ならよくご存じの曲ではないでしょうか。
私がダンスをしていたころは、ブレイキンにほんとによく使われていましたが、今はどうでしょう?

当時はこれがボンゴだとは知らなかったのですが、これボンゴだったのか!と今思ってます。

高音のキレの良い感じが、ダンスミュージックにぴったりですね。

Incredible Bongo Bandはボンゴを前面に押し出しためずらしいバンド(架空のバンドらしいですが・・・)で、このApacheが収録されているアルバム「BONGO ROCK」にはボンゴの面白い曲がたくさん入っています。
興味のある方は是非チェックしてみてください。

Destino/Bongo:Yoshiro Suzuki

~feat. NORA&Yoshiro(from Orquesta de la luz) with Carlos and Karen~

この動画はパンデミックの自粛期間にリモートで演奏されて公開されました。
こちらはリモートながら、ゆったりとした曲調が心地よくてボンゴの響きがぴったりです。

New world/You Yu Kento(Percussion:はたけやま裕)

ボンゴがメインではなく、他のパーカッション楽器との組み合わせで使われています。
メインはコンガとカホンですが、7分35秒付近からのソロでボンゴが使われているところがわかりやすいと思います。

ボンゴに限らず、いくつものパーカッションを使った多彩な演奏を見ることができるところもおすすめです。

豆知識~物理学者リチャード・P・ファインマンとボンゴ

ボンゴについての豆知識?をご紹介します。

アメリカの物理学者、リチャード・P・ファインマンは、ボンゴの奏者としても有名でした。
理系の方ならファインマンの名前は聞いたことがあると思います。
「ファインマン物理学」は大学で使われる教科書として有名だし、1965年にノーベル物理学賞を受賞しており、ほんとにすごい人なんです。

そんな彼はボンゴに対しても大変な情熱を傾けていて、奏者としても優れていたそうです。
バレエ団からバレエ音楽の依頼を受けて名前を伏せてボンゴを演奏し、パリの国際コンクールで2位になったこともあったとか。

ファインマンがボンゴを演奏している動画がYoutubeにありましたので、ご紹介します。

すごく素敵だと思います。演奏を楽しんでいる様子が伝わりますね!

※ファインマンの型破りな人生は下記の本で知ることができます。

以上、ノーベル賞物理学者ファインマンとボンゴのお話でした。

まとめ

  • ボンゴは大小2つの太鼓が連結した形をしていて、コンガなどと比べると小さな太鼓です。
  • 音は高音で目立ち、細かい演奏も得意です。
    このため単独で使われるほかに、他のパーカッションと組み合わせてアクセントやフィルインで使われることも多いです。
  • コンガやティンバレスと同様、アフリカが発祥の太鼓がキューバで発達して今の形になりました。
    もともとはラテン音楽で使われていましたが、今はジャズやポピュラー音楽でも多く見ることができます。

最後までご覧いただきありがとうございました。

コメント