パーカッションの中でも人気のカホン。
ポップスの曲に合って使いやすい、パーカッションの中では習得しやすい、持ち運びが簡単など、初めての方にもカホンはおすすめです。
ただ「カホンを始めてみよう、せっかくだから自分のカホンが欲しい」と思っても、人気なだけに種類も多く、選ぶときに迷ってしまうかもしれません。
そこでここではカホンの選び方について、初心者目線でわかりやすくまとめてみました。
カホンを選ぶときの参考にしていただけると嬉しいです。
具体的なカホンのメーカー、初級・中級向きカホンはこちらでご紹介しています。
カホンについてはこちらにまとめました。
価格帯
カホンの価格は、ほとんどは1万円~10万円の範囲にあります(2024年時点)
1万円以下の安いカホンもみかけますが、それはミニカホンだったり、楽器というよりはおもちゃに近いものだと思います。
また、10万円以上の超高級品はとても少ないです。
(まれに20万円近いカホンもありますが・・・)
大体は1万円~10万円の中で初心者向きのエントリーモデルから最高級機種まで、レベルや用途に応じたモデルが作られています。
それぞれの価格帯ごとのイメージをまとめました。
- 1万円台~2万円台
初心者向きのエントリークラス。
安く手軽に購入できます。
初めてで続くかどうかわからないから、まずは安く購入したいという方に。 - 3万円~6万円台
ミドルクラス。最も種類が多く、魅力的なモデルの多い価格帯です。
3万円台前半から買えるものもあるので、予算が取れる場合は、初めての方もこのクラスを検討するのがおすすめです。
やはり楽器のつくりはエントリークラスとは全然違うと思います。
この価格帯にはプロが使うものもあって、4~5万円以上出すと結構いい楽器があるので、少し高くてもいい楽器が欲しいという方にはこのあたりの価格のモデルもいいと思います。 - 7万円以上
各メーカーの最高級機種、ハイエンドクラス。
見た目は高級感があり、音もすばらしい。
ただ初心者が使いこなすのは難しい場合もあるし、場所や音楽ジャンルによっては向かない場合もあると思います。このため初心者の方にはあまりおすすめしません。
高級機種は、自分の好みがはっきりしてから、じっくり選んで買うのがいいような気がします。
メーカー
おすすめのパーカッションメーカー3社
カホンのメーカーを調べてみると、有名なパーカッションメーカーから手作りで製造している工房、聞いたことのない怪しげなメーカーまで、たくさんのメーカーがありますね。
どのメーカーがいいか迷ってしまうかもしれません。
初心者の方が選ぶ場合に、カホンだったらここから探すといいと思うおすすめのメーカーをご紹介します。
カホンに特化したパーカッションメーカーのSchlagwerk(シュラグベルク)とカホンメーカーのDe Gregorio(DG)、そして大手パーカッションメーカーのMEINL(マイネル)です。
各社について簡単にまとめましたので、参考にしてみてください。
各社の特徴
Schlagwerk(シュラグベルク)
1982創設のドイツのパーカッションメーカー。(”シュラグ”と呼んだりします)
1990年に最初のカホン”La Peru”が販売され世界的にヒットしたことから、シュラグベルクの名前が知られるようになりました。
シュラグベルクのカホンは、従来の概念にとらわれず独自のアイディアで作られ、高品質で洗練されているのが特徴です。
シュラグベルクについては、下の記事でまとめています。
De Gregorio(DG)
ドラマーでパーカッショニストのPaolo DeGregorioにより2003年に設立されたスペインのカホンメーカー。
伝統的な製造方法を重視して作られ、フラメンコだけにとどまらずジャズなどの幅広いジャンルで選ばれています。
※2024年9月時点で、エントリーモデルが見られず、4万円台からの価格展開になっていました。
MEINL(マイネル)
1951年に設立されたドイツのシンバル・パーカッションメーカー。
カホン、ボンゴ、コンガ、ジャンベからタンバリンやカウベルなど幅広くラインナップし、ユーザーのニーズに合わせ、世界中のプレイヤーに高品質なパーカッションを提供しています。
マイネルのカホンは、スペインでカホン職人の巨匠と言われるJose Hernandez Diaz(PEPOTE社)との関係によって刷新され、新しいラインが作られています。
PEPOTE社のシリーズにはArtisan Edition Cajons、WOODCRAFT CAJONS、SNARECRAFT CAJONSがあり、マイネルのカホンの中でも特に興味深いと思います。
各社のカホンのラインナップ、初級、中級向きカホンは下の記事でご紹介しています。
サイズ
カホンの標準的なサイズは幅30cm×奥行30cm×高さ46~50cmで、普通のカホンは大体このくらいのサイズになっていると思います。
フルサイズのカホンは高さが50cmに近く、各社のカホンを調べると”本格的な”カホンは高さ48~50cmになっているようです。
逆に初心者向きのモデルには高さ46cm程度のものも多々見られます。
サイズは大きい方が鳴りはいいと思うので(特に低音)、私のおすすめは高さ50cmに近いものです。
ただ背が低い方は、高さ46cmの小さめのカホンを検討されるのもいいかもしれません。
(私は身長158cmで、高さ50cmのカホンで傾けて問題なく使えています)
心配な方はお店で叩かせてもらうといいと思います。
幅が30cmを超える場合や、高さ50cmを超える場合は大きすぎて叩きにくい可能性があります。その場合も、購入前に問題なく叩けるか確認した方がよさそうです。(長身の方はいいかもですが)
材質
カホンの鳴り方、音質には使われている素材の材質も影響します。
バーチは高音と低音のバランスがとれているとか、エボニーは音色が硬質だとか書かれているのを目にしたことがあるかもしれません。
また、合板よりも1枚のバルクの板で作られている方が響くともいわれています。
ただ実際には、そのカホンの構造やつくりの影響も大きく、素材だけでみることはできないと思います。
メーカーによってさまざまな素材が使われ、側面と打面で違う場合もあります。その組み合わせだけでも数えきれないほど種類があるし、逆に使われている素材は1種類で構造やつくりでバリエーションを出しているメーカーもあります。
素材は仕様を読み込まないとわからないので、アルダーがいいと思ってもアルダーのカホンを探すのは大変ですね。
また多くは合板が使われており、バルクはとても少ないです。
このため、材質でカホンを選ぶのは難しいと思います。
見た目と叩いた感じで気に入ったものを選んで、結果的に「バーチの合板なんだな、」と知る程度だと思います。
響き線
響き線は2種類
カホンの打面の裏側には響き線が取り付けられていて、叩くとこの響き線が振動して「ジャッ」という音がなります。
スネアドラムのスナッピーのような音ですね。
バズ音ともいいます。カホンの重要な要素のひとつです。
この響き線には大きく分けてワイヤータイプとスナッピータイプの2種類があります。
(呼び名はメーカーによって若干異なります)
ワイヤータイプ(弦タイプ、ストリングタイプ)
金属線(ワイヤー)が何本か、打面に密着するように張られているタイプ。
ワイヤーは全面に張られておりカホンのどこを叩いてもバズ音がします。
ワイヤーの張り具合を調整するとバズ音の鳴り方を変えることができますが、逆に言うといいバズ音にするためにはワイヤーのチューニングが必要です。
スナッピータイプ
スネアドラムのスナッピーと同じ響き線が使われているタイプです。
打面の上部にスナッピーが取り付けられているので、打面の上の方を叩く高音ではバズ音がよく鳴り、下を叩く低音ではバズ音が鳴りにくい。
バスドラとスネアのように音の違いを出しやすく、ドラムパターンを演奏するのに向いています。
通常チューニングの必要はありません。
スナッピータイプの響き線です。
(シュラグベルクの2 in One Deluxeの場合)
これが打面の裏側に取り付けられています。
それぞれの響き線の特徴
スナッピータイプは初心者が扱いやすい
初心者の方におすすめなのはチューニングのいらないスナッピータイプです。
私はスナッピータイプのカホンを使っていますが、買ってチューニングせずそのまま使うことができました。
ワイヤータイプの場合、初心者にはチューニングって難しいのではないでしょうか?
ワイヤータイプは使っているうちにまたチューニングが必要になったり、チューニング中にワイヤーが切れることもあるらしいです。
もちろん、いろいろ触っているうちにわかってくるというのもあると思いますが、スナッピータイプは初心者には扱いやすいです。
ワイヤータイプはレスポンスがいい
モデルにもよると思いますが、指を使った細かい演奏をした時に反応性はワイヤータイプの方がいいようです。
私は、自分のスナッピータイプのカホンでなかなか鳴らないフィンガーテクニックが、先生のワイヤータイプのカホンできれいに鳴って感動したことがあります。
指を使って細かい演奏をしたい方には、ワイヤータイプがいいかもしれません。
ただ、先生はスナッピータイプのカホンでも細かい音まで問題なく鳴るので、上手な人にはあまり影響ないのかもしれません。
ジャンルによる違い
フラメンコなどワールドミュージックを演奏する場合には、スナッピータイプよりワイヤータイプが向いていると思います。
それぞれのタイプのカホン
それぞれの響き線タイプのカホンの例をご紹介します。
もちろん、この他にもたくさんありますので、参考としてご覧ください。
選ぶときにメーカーのサイトなどを見ると”スネアワイヤー”と書いてあって、「どっち?」と思うこともあります。
そういう場合は、写真やお店で実物を見るなどして間違えないようにご注意ください。
ワイヤータイプのカホン
ワイヤータイプで比較的手ごろな価格のものとしては、マイネルwoodCraftカホンがあります。
歯切れのよいスネアサウンドが特徴で、音が鳴らしやすく重量も軽いので扱いやすそうです。
スナッピータイプのカホン
スナッピータイプの代表的なカホンのひとつにシュラグベルクの2 in Oneがあります。
下記は2 in Oneの中で一番お手頃な価格のCP404で、アコースティックなバランスの取れたサウンドが、様々なジャンルに使いやすいモデルです。
私が通っていた音楽の専門学校にもあって、初心者だった私にも叩きやすかったです。
もちろん初心者向きというわけではなく、2 in Oneの機能を備えた、幅広いユーザーに向くカホンです。
各社の特徴、初級・中級向きカホンに興味のある方は、ぜひ下の記事もご覧ください。
まとめ
カホンを選ぶときのポイントを、初心者の方にわかりやすくまとめました。
カホンを選ぶときの参考にしていただけると嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
コメント