少し珍しい小物パーカッションをご紹介します。
カシシ(Caxixi)と言って、シェイカーのように振って音を出す楽器です。
アフリカ、南アメリカが発祥です。
日本では、ブラジルのカポエイラ(武術でダンス)で演奏されていたことで知られるようになったとか。
このカシシ、アクセントをつけて演奏することができて、やってみるとかなり面白い。

まだ珍しくて、見たことがない人が多いので、ソロなどで演奏して見せると注目されるかも。
この記事では、カシシの魅力、面白さについてお伝えしていきたいと思います。
ぜひ、最後までご覧ください。
カシシとは

カシシの特徴
カシシは小枝や藤で編んだ入れ物の中に、豆や木の実を入れた楽器で、シェイカーのように振って音をだします。
ひょうたんやヤシの実などの固い素材が底に使われていて、当てる場所を変えてリズムにアクセントをつけることもできます。
このため、リズムのバリエーションをいろいろつけられるところも面白いと思います。
カポエイラでのカシシ
ブラジルのカポエイラでは、ビリンバウと一緒に演奏されています。

左手にビリンバウ(弓のようなもの)、右手にビリンバウを弾く棒とカシシを持っています。カシシを持った方の手でビリンバウとカシシの両方を演奏して、メロディーとリズムを一緒に奏でるようです。
カポエイラでビリンバウとカシシを演奏している動画をご紹介します。
カポエイラは日本のストリートダンスでも見られますが武術でもあるんですよね。
とてもかっこいいです。
カシシのつくり方
つくり方を調べてみたら、なるほど、こんな風に作るのか!と思ったので参考にご紹介します。
カシシを作るときはは、底になる部材(ひょうたんやヤシの実など)に、細く削った木の枝や藤を通して編み上げていき、形が出来たところでマメなどを入れて、その後さらに編んで入口を閉じるんですね。
次の動画では形を作る手順がわかりやすく紹介されています。9分あたりでマメを入れていました(マメを入れるシーンは大事かと)
カシシの奏法
カシシは通常2個使って演奏し、大きく分けて2種類の奏法になります。

- シェイカーのように前後に振る
(両手に持つので左手の練習も必要)

- 縦に持って下に打ち付けてカシシの底に中身のマメを当てる。(中身はマメとは限りませんが、ここではマメと書きます)
※後から自分でやってみたら、実際にはこんな風には吊り下げず、普通につかんで振ってました。
本場の方の動画を見ると、上の方を持っている方も多いので、どれが正しいとかはないのかもしれません。(正しいやり方が決まっていない、パーカッションあるある)
ではそれぞれの振り方を順にみていきましょう。
シェイカーのように振る
シェイカーと同じように振って音を出しますが、この時、手首を返して、マメを当てる場所を「カシシの側面」⇔「底」と変えることでいろいろなリズムを作ることができます。
次の動画は、3・3・2のリズムの演奏の仕方を説明しています。
「タツツタツツタツ」という3・3・2のリズムはポップスでもよく使われていますね。
上の動画では、2つ目の裏に入るアクセントを左手で入れています。
この裏のアクセントを、正確に左手で入れるのは少し難しいかもしれません。

同じ3・3・2のリズムを右手だけで演奏する方法もあります。
私はレッスンで教わって「これは楽しい・・・」と思ったのでこちらもご紹介します。
こちらは動画をご紹介しようと思ったら、同じことをしているものが見つからなかったので自分で振りました。
先生のようにキレッキレに出来ませんが、やり方の参考にはなると思うのでよければご覧ください(;^ω^)
一応、写真で理屈をご説明します。(たぶん動画の方がわかりやすい)

前に振った時に、中のマメを底に当てると表にアクセント

手前に引いたときに、中のマメを底にあてると裏にアクセント
3・3・2の2つ目のタイミングで、手前に引いたときに手首を返してマメを底に当てるようにすると右手だけでこのリズムができるようになります。

譜面にするとこんな感じ。
×で中のマメを底に当てます。
↑ が前に振った時、↓ が手前に引いた時です。
右手で3・3・2をやった場合、空いてる左手は普通に振ってハイハットのように16分を刻んでもいいし、右手と同じ3・3・2を演奏することもできます。
カシシは底に当てるタイミングを変えれば自由にリズムを作れるので、いろいろやってみると面白いです。
下に打ち付ける方法
カシシを吊り下げるようにもって、カシシの底にマメをぶつけるように振ります。この方法は左右のカシシを使って、自由にリズムを作ることができます。
例えば、次の動画で基本的なパターンを説明しています。
(制限がかかっているのか動画を埋め込みできず、リンクになっています)
これはわかりやすくて簡単そうに見えますが、やってみるとなかなか難しい。
こんなにキレよく正確にできません・・・(;^ω^)。
でも練習したら、自由度が高くていろいろな場面で使えそうな振り方です。
ソロの演奏動画(一番おすすめ)
たくさんあるカシシの演奏動画の中から、私が一番面白いと思う動画をご紹介します。
検索すると上の方に出てくるので、カシシでは有名かもしれません。
この方は、カポエイラ道場の動画に写っていたので、カポエイラ関係の方だと思われます。
すごく惹きこまれます!最後のアクロバットもかっこいい!
カシシを作っているメーカー

カシシはエスペランサ、ソナー、マイネル、TOCA、サウンドキングなど多くのメーカーで作られています。
同じ商品でもひとつひとつ音が違うので(たぶんどのメーカーも手作り)、購入するときは楽器屋さんで振ってみて好みのものを選ぶのがおすすめ。
代表的なところで、エスペランサのカシシをご紹介します。
岐阜の工房で作られています。
私もエスペランサを持っているのですが、ほんとに作りがきれいで色もかわいいです。
インテリアにもおすすめ(笑)
底の材質は、ひょうたん、ヤシの実、圧縮木材(合板)の3種類あります。
私がカシシを買ったときは、JPCに行って実物を振って選びました。
汗をかくくらい一生懸命振って2つを選んだのですが、帰ってきてよく見たらひょうたんと圧縮木材という、違う素材のカシシを買っていました…。

左右で音が揃うようにあんなに厳選したのに…(´;ω;`)

買ってきたカシシ・・・
側面にあたるときの音に気を取られて、底の素材を見落としたようです。
でもアクセントになるから、左右違うのもいい!ということにしています。
注意点は、カシシは音が大きいこと。
エスペランサのLサイズだと相当音が大きいので、大きな会場や屋外でなければ響きすぎると思います。
あと、他の楽器の音が大きいとか。
Sサイズでもかなり大きく鳴ります。
他のメーカーのものは私は使ったことはないですが、ソナーやマイネルも使いやすそうに見えますね。
<おまけ>

エスペランサのペンダント・カシシ・・・かわいいでしょ~~(という自慢)
今はもう売り切れているようです。
ちゃんと演奏もできます(3・3・2できる・・)
まとめ

アフリカ・南アメリカ発祥の、振って音を出すパーカッション「カシシ」についてご紹介しました。
演奏の自由度が高くやってみると大変面白い楽器です。ソロで見せるのにとても向いていると思います。気になったら、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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