カホンにキックペダルをつけてドラムのように演奏する。
あるいは、コンガやジャンベを演奏するときに、カホンをバスドラとして使うなど、カホンペダルを使うと演奏の幅が広がります。
ただ、カホンペダルは結構高い・・・。
欲しいけど、買おうとして躊躇する方も多いかもしれません。
私も何年も欲しいと思いながら買えなかったのですが、昨年ついに購入しました。
そこでここではその時の経験をふまえ、カホンペダルの購入を考えている方の参考になるように、現在販売されている各社のペダルの比較表を作ってみました。
購入したときに調べたことや、使ってみてわかったことを含め、私が思う選ぶポイントもまとめました。
ぜひ最後までご覧ください。
カホンペダルメーカー比較表
各社から販売されているカホンペダルの比較表を作ってみました。
価格は2025年1月時点で大体この価格で販売されていたというものです。
変動するので目安とお考え下さい。
メーカー | 型式・商品名 | リンク方式 | カホン固定方法 | 価格帯(円) | 備考 | 詳細 | |
DIXON ディクソン | PP-CPP | ワイヤー | カホンの前をのせる(固定部の面積が小さい) | 20,000 | Dixon PP-CPP | ←amazonへリンク | |
GIBRALTAR ジブラルタル | G3GCDCP | カホンを挟んで固定 | 23,800 | チェーンドライブ。ワイヤーの調整が難しいとのレビューあり。 | GIBRALTAR / G3GCDCP | ←サウンドハウスへ | |
LP | LP1501 | カホンの前をのせる | 25,000 | チェーンドライブ | LP1501の説明へ | ||
JPC | CPD | カホンを挟んで固定 | 29,800 | キックベースが別売りのものもある | エスニックシティ オリジナル カホンペダル&ベースセット | ←HPCへ | |
SCHLAGWERK シュラグベルク | SR-CAP200 | カホン全体をのせる | 50,000~55,000 | ペダルとビーター両方をカムで接続。ケース付き | Schlagwerk SR-CAP200 | ←amazonへ | |
DW | DW5000CJ | カホンの前をのせる | 42,000~53,000 | ソフトケース付き。ピヴォット・ドライヴ・システム | DW5000CJの説明へ | ||
DW | DW5000 CJDL | ダイレクト リンク | カホンの前をのせる | 58,000~73,000 | DW5000CJDLの説明へ | ||
DG | カホンペダル | カホン全体をのせる | 38,000~45,000 | DGカホンペダルの説明へ | |||
MEINL マイネル | TMSTCP-2 | カホンを挟んで固定 | 35,000程度 | チェーンドライブ。かかとで踏むタイプ | Meinl Percussion TMSTCP-2 | ←amazonへ |
表中のリンク方式とは、ペダルとビータの接続方法のことを言っています。
では、カホンペダルを選ぶときに考えた方がいいポイントについて次からご説明していきます。
カホンペダルを選ぶときのポイント
私が思う、カホンペダルを選ぶポイントです。
リンク方式
カホンペダルではペダルとビータの間に距離があるため、ペダルで直接ビーターを動かすことができません。
このため2種類のリンク方式あるのですが、ここは大きく性能に影響します。
ワイヤー方式とダイレクトリンク方式
ペダルとビーターのリンク方式には、ワイヤー方式とダイレクトリンク方式の2種類があります。
ワイヤー方式では下のように、ペダルとビーターがワイヤーで接続されています。
一方、ダイレクトリンクはこんな感じ。
ビーターとペダルはシャフトでつながれている。
ワイヤー方式とダイレクトリンクの違いについて、次から見ていきましょう。
ダイレクトリンクとワイヤー方式の性能上の違い
ペダルを踏んだ時のレスポンス
ワイヤーを介して接続するワイヤー方式は、その構造上ペダルを踏んで音が鳴るまでに一瞬の遅れが生じます。
一方ダイレクトリンク直接ビータを動かすのでレスポンスがよく、ほぼ遅れがありません。
バスドラのキックペダルに近いと言われています。
このレスポンスの差が、2つの方式の一番の違いです。
ワイヤー方式のレスポンスの遅れは、人によっては気になるかもしれません。
もちろん、気になるほどではないという方やセッティングの微調整で問題なく使える方という方もいます。
また同じワイヤー方式と言っても、メーカーによってレスポンスに差があり、ワイヤー方式のペダルを購入する場合はよく確認した方がよさそうです。
ちなみに私は購入する時、お店に行ってワイヤー式のペダルを試奏してみましたが、やはり一瞬の遅れが気になったのでダイレクトリンクのDGを選びました。
価格
一般的にダイレクトリンクは価格が高い。
ワイヤー方式が2万円で手に入るのに比べ、ダイレクトリンクは4万円近くなります。
評価の高いDWの場合は、ワイヤー方式が4~5万円なのに対し、ダイレクトリンクは5,8000円~7万円近くになります。
破損のリスク
ワイヤー方式の場合、ワイヤーが切れることがあります。
ワイヤー方式を購入する場合は、破損する可能性があるということを知っておいた方がいいと思います。
そう頻繁に切れるわけではないと思いますが、使用頻度が高い場合、長く使った場合、またセッティングに無理がある場合など、切れることがあるようです。
切れた場合は、ほとんどのメーカーで交換用のワイヤーを用意しているので、その場合は交換して使うことができます。
ビーターを固定する方法
ビーターをカホンに固定する方法は何種類かあります。
ほとんどのメーカーでしっかりビーターを固定できるように作られていますが、カホンを傾けて叩く方など、どう固定されているかを気にしたほうがいい場合があります。
例えば固定方法によっては、カホンを傾けられなかったり、傾けていたカホンを元に戻したときにセッティングがずれる可能性もあります。
カホンの前をのせるタイプ
カホンの前部分を乗せるプラットフォームがあって、そこにビーター部分が固定されているもの。
カホン前面の全体で押さえるので安定性はあり、このタイプを採用しているメーカーはDW、LPです。
カホンを傾けてもそうずれることはないと思いますが、可能性はありちょっと心配です。
(傾けない方は大丈夫)
次の「カホン全体を乗せるタイプ」の方が安定性は高いです。
カホン全体を乗せるタイプ
カホン全体を乗せる台(プレート)があり、ビータはプレートに固定します。
一番しっかり固定されます。
カホンを挟んで固定するタイプ
カホンの前後を挟んで固定する治具がついているタイプです。
ビータはしっかり固定されますが、カホンを締め付けて固定するので、セッティング後にカホンを傾けることが難しそうに見えます。
このタイプのペダルをお店で試奏させてもらった時に、「そんなにぎゅっと締め付けずゆとりをもたせれば傾けても大丈夫ですよ」と教わりました。
やってみたら確かにその通りだったので、この方式でも大丈夫そうです。
ビーター
ビーターは音にとても影響します。
ペダルに付属しているビーターによっては、音があまりよくない場合もあります。
しかしビータは後から交換できるので、まずは後から変えられない他の要素で選んで、使ってみて必要ならビータを交換するのでいいのではないでしょうか。
主なカホンペダルのご紹介
ここでは、リンク方式がワイヤーのものとダイレクトリンクのものからおすすめのペダル、よく使われているペダルをご紹介します。
※どのペダルもほとんどすべてのカホンで使用可能です。
リンクがワイヤー方式のペダル
DW DW5000CJ
DW5000CJはユーザーが多く、定評のあるモデルです。
特にドラマーがカホンを演奏する時に、多く使われている印象があります。
軽い踏み心地と、反応性の良さ、コンパクトなつくりが特徴。
ワイヤーは短めですが、セッティングの妨げになることはないようです。
(ワイヤーが短い方が、反応性の面では有利だと思われますね)
ドラマーの方には、スプリングを変えたりいろいろとカスタマイズしている方も多い模様。
コンパクトなので、カホンと一緒に持ち運ぶのも簡単そうです。
とても評判の良いモデルですが、ワイヤー方式の中では価格が高いのが難点です。
ただそれだけの性能があるという価格設定なのかもしれません。
DW5000CJ用には交換用ワイヤーもあります。
LP LP1501
大手パーカッションメーカーLPのカホンペダルです。
ワイヤーケーブルの長さは3フィートとのこと。91cmくらいで結構長いです。
スプリングとビーターの角度を自分の好みにあわせ調整可能とのこと。
(たぶんどのペダルも調整できると思いますが)
ペダルはチェーンドライブ構造で、ドラムのキックペダルに近い感覚で踏めるのだとか。
LPのペダルは2万円台と入手しやすい価格になっています。
ワイヤーケーブルが91cmあり、セッティングの自由度が大きそうです。
その反面レスポンスでは不利になると思われるので、購入するときはお店で確認するのがおすすめです。
交換用のワイヤーも販売されています。(5,000~6,000円)
ダイレクトリンク方式のペダル
ダイレクトリンク方式のペダルは2種類です。
DG カホンペダル
カホンメーカーのDG(DE GREGORIO)が開発したカホンペダルです。
(私はDGのペダルを使っていますので、使った感想も含めご紹介します)
真円カム+チェーンドライブで、スプリング、ペダル角度、ビーター角度すべて調整可能でした。
(ただその分、最初の調整に時間がかかりました)
ペダルの位置は、カホンの右側にも左側にもつけることができます。
ダイレクトリンク方式ですので、踏んだらすぐに音が鳴ることが最大の特長です。
そして、同じダイレクトリンクのDWと比べて価格が手ごろなところ、またカホンを傾けても設定がずれない構造になっているところがおすすめポイントです。
ペダルの位置は、シャフトが動く範囲で設定できます。
前にコンガやジャンベを置いて演奏する場合は、シャフトとペダルを避けて配置する必要があるので、若干制約があります。
叩いたときの音は少し軽く、ビーターが軽すぎるかもしれません。
支障なく使えますが、そのうち他のビーターに替えようかとも思っています。
詳細は下の記事でご紹介しています。
DW DW5000CJDL
ドラマーに人気の高い DWのペダルで、ダイレクトリンクのシステムを採用したモデルです。
ペダルは左右どちらでも付け替えでき、スプリング等も調整可能。
DWの標準的なダブルペダルリンケージをベースに、カホン用に開発されたとのことです。
ワイヤー方式のDW5000CJと比べて、さらにバスドラに近い感覚でプレイできるのではないでしょうか。
ビーター
カホン用ビーターはMEINL、GIBRALTAR、VICなどいくつかのメーカーから販売されています。
私はどれも使ったことがないので何とも言えませんが、下のシュラグベルクのビーターが良さそうかなと思っています。
バスドラ用のビーターは、使うとカホンが壊れますので、絶対使わないでください!
ドラム用キックペダルを使う方法
カホンペダルを使わず、バスドラのキックペダルを使う方法もあります。
こんな感じになります。
手持ちのDGの台(プラットフォーム)に取り付けてみました。
この場合、ペダルをかかとで踏むことになります。
バスドラのセッティングのまま踏むと、カホンが壊れるのでご注意下さい。
(私はセッティングしただけで踏んでません)
この方法にするときは、ペダルを固定する何かが必要になります。
よく使われるのは、下のキックベースです。
これを使う場合はプレートの厚みがあるので、カホンの足がそれよりも低い場合はかさ上げが必要です。
カホンペダルを買うより安くすむところが利点ですね。
とりあえず、これで試すというのも一つの手かと思います。
ただ、ビーターは必ずカホン用のものに交換して、カホンを破損しないようにセッティングにご注意ください。
この方法は簡易的なように見えますが、プロパーカッショニストで”結局これでやり続けています”という方もいらっしゃるので、慣れればよい方法なのかもしれません。
おわりに
カホンペダルについて各メーカーの製品比較表と、選ぶときのポイントをご紹介しました。
参考にしていただけると嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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