グロッケンってどんな楽器|メーカー、初心者が買いやすいモデル、曲、購入体験をまとめました

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パーカッション全般

グロッケンとは「グロッケンシュピール」の略で、小さな鉄琴です。
オーケストラや吹奏楽、ポップスなど、さまざまなジャンルの音楽で使われる鍵盤打楽器のひとつで、パーカッショニストが担当することが多いです。

ただ、大人になってからパーカッションを始めた人にとってはあまりなじみがないかもしれません。
私も大人になってからパーカッションを始めましたが、カホンやコンガ、ジャンベといった太鼓系の楽器にしか興味がなく、グロッケンのような鍵盤打楽器をやろうと思ったことがありませんでした。

ところが、ライブでの先生の演奏を見ていると、小さな鉄琴が置かれ、カホンやコンガの合間に演奏される場面がある。
演奏時間は1曲の中のごく一部ですが、キラキラとした音色がとても印象的です。
それを見て、「やってみたいかも…」と思いました。

そこでさっそく、グロッケンについて調べて、実際に購入してレッスンも受けてみました。
この記事では、グロッケンの特徴やメーカー情報、初心者でも購入しやすいモデル、実際に使われている曲(ポップスを中心に)、そして私自身の購入体験についてまとめています。
この記事が、グロッケンに興味のある方の参考になれば嬉しいです。

グロッケンとは

グロッケンの基本

グロッケンは、正式名称を glockenspiel(グロッケンシュピール) といい、ドイツ語で「Glocken=鐘」「spiel=演奏・一式」という意味です。
鍵盤打楽器の一種で、「鉄琴」のひとつです。

音板(おんばん)と呼ばれる金属の板が鍵盤状に並んでいて、専用の マレット(ばち) で叩いて音を出します。
音板は共鳴箱を兼ねた木製や金属製のケースに納められており、ピアノのように音階が並んでいるため、メロディーを演奏することができます。

名前と起源

グロッケンの起源はドイツにあります。
本来の glockenspiel には、鐘を並べたタイプのものもありますが、日本で「グロッケン」と言う場合は、金属の音板を叩いて演奏する鉄琴タイプを指すのが一般的です。
オーケストラや吹奏楽、ポップスなど、さまざまなジャンルで使われています。

他の鍵盤打楽器との違い

グロッケンは、同じ鍵盤打楽器であるマリンバ、シロフォンやヴィブラフォンとはどう違うのでしょうか。

マリンバ、シロフォンは木製の鍵盤打楽器です。
マリンバとシロフォンは見た目は似ていますが、音域が異なります。


ヴィブラフォンはグロッケンと同じく金属製ですが、音を筒(共鳴パイプ)とペダル式のダンパー(音を止める装置)を備えているのが特徴です。
サイズもグロッケンより大きく、より柔らかい響きを持つ楽器です。


グロッケンは金属製で共鳴パイプはなく、またサイズが小さいのが特徴です。
音域は高音でキラキラとした音色です。

グロッケンの音域

グロッケンは音板打楽器の中でも最も高い音域を担当します。
基本的な音域は F5~C8 の約 2 オクターブ半。
この高く澄んだ音色は、他の楽器の中でもとても印象的に響きます。

グロッケンが使われている曲

グロッケンが使われている曲の中から、ポップスを中心にグロッケンの響きが印象的な曲をまとめました。
どの曲も、グロッケンの響きが少し加わることで、キラキラした華やかさ、軽さ、かわいらしさなどが加わり、印象的な雰囲気になっています。

back number – クリスマスソング

グロッケンのイントロで始まります。キラキラした響きがとてもクリスマスらしい。

桑田佳祐 – 波乗りジョニー

サビ部分でグロッケンの音が聴こえます。
かすかに聴こえる高音の響きが軽い響きで、きらきら光る波のイメージにぴったりですね。
この曲は、カスタネットなど、他のパーカッション楽器もいろいろ使われています。

島谷ひとみ – Jewel of Kiss

イントロを中心に、あちこちでグロッケンが使われています。
Jewel(宝石)の輝くイメージとグロッケンの響きがあって、華やかな曲を演出しています。

私は、この曲をカホンとグロッケンで練習しました。とてもやりやすく、練習におすすめです。

Kimya Dawson – I Like Giants

ギターとグロッケンの組み合わせが印象的。
この曲では、グロッケンの響きがとてもかわいい印象になっている感じがします。

チャイコフスキー – くるみ割り人形より「こんぺいとうの踊り」(本当はチェレスタ)

クラッシックで有名な「こんぺいとうの踊り」。
グロッケンっぽい音ですが、オーケストラでは通常チェレスタという楽器で演奏されます。
(チェレスタはピアノのような鍵盤楽器です)
ただ、グロッケンで演奏してもよく合うと思います。

グロッケンのおすすめメーカーと買いやすい価格のモデル

グロッケンは、子供用の玩具からコンサートで使われるような本格的なものまで、さまざまなものが販売されています。
ここでは、その中から「バンド演奏で楽器として使う」グロッケンを想定して、コンサート用で使われる基本の音域「F57-C88(2オクターブ半」をもつものから、メーカーごとに初心者が買いやすい価格のモデルをまとめました。
価格はそこそこいいお値段して、コンサート用のものは30万円~くらい、手ごろな仕様で買いやすい価格のものは10万円前後という感じです。

YAMAHA


世界最大の総合楽器メーカー。アコースティック楽器からデジタル楽器まで幅広く製造しており、楽器事業では世界トップクラスのシェアを誇る。

YG-50D

音域:F57〜C88(2 1/2 オクターブ)。
バー(音板):カーボンスチール製。幅25mm。
サイズ:65×41×8 cm、重量:7.9 kg(ケース込み)

学校・器楽合奏~小編成バンド用の標準仕様モデルです。
上位機種と同じ設計思想をもちながらも手の届きやすい価格帯で、「低価格の玩具の鉄琴」とは一線を画す本格的な仕様。
本格的に始めたい初心者向け。
より本格的にステージで使用したい場合には、上位機種の「YG250D」がおすすめです。

YG-250D

音域:F57〜C88(2 1/2 オクターブ)
バー(音板):ハイカーボンスチール製、幅30mm、厚さ6.4mm。
サイズ:73×41×8cm、重量:9.3kg(ケース込み)

YG-50Dが練習用〜小編成バンド向きの実用入門モデルだとすれば、このYG-250Dは合奏やステージでの使用を想定した、本格仕様の標準機です。
30mmバーによる、芯のある豊かな音量が特徴。
手頃なYG-50Dという選択肢もありますが、合奏や本番での使用を視野に入れるなら、YG-250Dがおすすめです。

サイトウ(斉藤楽器製作所)

日本の鍵盤打楽器専門メーカーで、マリンバ、シロフォン、ヴィブラフォン、グロッケンシュピール、マレットなどを製造。
高品質で世界的に認められており、現在は野中貿易が取り扱いを行っています。

SG-80

F57〜C88(2 1/2オクターブ/32鍵盤)。
バー(音板)はハイカーボンスティール製で、音板幅32mm・厚さ6mmの軽量仕様。

薄い音板を採用することで軽量化を図りつつ、上位機種SG-100に迫る音色を実現している。
音の立ち上がりが良く、軽いマレットでも鳴らしやすいのが特徴。

価格を抑えながらも、音板材や設計に本格的な要素が盛り込まれており、「手軽に本格仕様に近づけたい」という奏者に適している。
ただし、音量・深み・ステージでの投射力を重視する場合は、上位モデルの検討もおすすめです。

コオロギ(株式会社こおろぎ社)

マリンバ、グロッケンシュピール、ヴィブラフォンなど鍵盤打楽器を製造する、専門メーカー。
高品質な製品で、プロの演奏家にも広く使われている。

KG80

音域: F57〜C88(2½オクターブ/32鍵)
音板材質: ハイカーボンスティール製。幅 32 mm、厚さ 6 mm
サイズ: 約 84×46×7 cm、約10 kg

反響板を本体に直付けする設計により“豊かに響く”ことを重視しており、価格を抑えたグロッケンを探している方に適しています。軽めのマレットでも鳴らしやすい点も魅力。
ただし、ステージ使用や音量・深みをより求める場合は上位モデル(KG100、約17万円、重さ20kg)も検討されたほうがいいかもしれません。

ディーガン

1880年、ジョン・カルホーン・ディーガンによってアメリカ・シカゴで設立された。
主にマリンバやヴィブラフォンなどの打楽器を製造していたが、1978年にチャイムとグロッケンの事業をヤマハに売却した。

DG1590B(ヤマハ取り扱い)

※こちらは上位機種となり、参考での紹介です。

音域:G59〜C88(2 1/2 オクターブ)
バー(音板)はハイカーボンスチール製。サイズは幅31 mm 、厚さ7.8 mm
サイズ:76×44×10cm、重量:13.5kg(ケース込み)

デーガン伝統の設計を継承したモデル。
ディーガン社独自のチューニングと、制御されたテンパリング技術によって硬度を均一化し、一貫した音程とクリアなトーンを生み出している。
口コミでは、クリアで厚みのある響き、アンサンブルでの抜けの良さ、ピアニシモでの反応の速さなど高く評価されている。
上で紹介した2機種と比べ、このDG1590Bは30万円前後と価格帯がかなり上で、プロ仕様のモデルと言えると思います。

プレミア、マッサー(入手しにくいメーカー)

打楽器の世界では有名なメーカーですが、グロッケンについては国内の一般的な通販サイトではあまり取り扱いが見られません。
中古市場やメルカリなどであれば、入手できる可能性があります。

プレミア(Premier)
イギリスの老舗打楽器メーカー。コンサートパーカッションやマーチングドラムを製造しており、特にドラムセットが有名です。

マッサー(Musser)
アメリカ・シカゴの鍵盤打楽器メーカー。マリンバ奏者クレア・オマール・マッサーによって設立され、マリンバやヴィブラフォンの発展に大きな影響を与えました。

【レビュー】YAMAHA「YG250D」の購入

ここからは、私が実際にYAMAHA「YG250D」を購入した体験についてレビューしていきます。

YAMAHA「YG250D」を購入

YAMAHA「YG250D」に決めたのは、楽器として一定のクオリティがありそうだったことと、予算10万円ほどで購入できたことが理由です。
コオロギ社は鍵盤打楽器の専門メーカーなので、KG80も候補として良かったと思います。
ただ、YG250Dのほうがちょうど値引きされていて価格が安くなっていたため、最終的にこちらを選びました。

今あらためて購入するとしても、きっとどちらにするか迷うと思います。

グロッケンを演奏するには、スタンドが必要です。
私は、スタンドは購入せず、この写真のようにジャンベスタンドの上に乗せてます。
家なら、机にのせても演奏できそうです。

届いてまずは、最初は小学校で習ったときのような感覚で、付属のマレットで叩いてみました。
グロッケンらしいキラキラとした高音がよく響き感動しました。

普段は太鼓系の打楽器ばかり演奏しているので、音程のある楽器を叩くのはとても新鮮で、テンションが上がります。

ただ、曲を演奏してみると、不協和音結が構聴こえて、これでいいのだろうかと思いました。
もしかすると、他の楽器と合わせて演奏すれば気にならないのかもしれません。

グロッケンシュピールは簡単に持ち運べない

グロッケンは見た目の印象から、手軽に持ち運べそうに思われがちですが、実際はかなり重いです。
中身は金属のかたまりなので当然なのですが、持つとずっしりきます。
正直、手で持ち運ぶのは難しいと思います。

私がレッスンを受けたときは、先生がご自身のプレミア社製のグロッケンを持ってきてくださいましたが、それは私のグロッケンの倍くらいの厚みの音板で、重さも倍近くありました。
上級機のモデルほど、音板が厚く重量も増す傾向のようです。

マレットの話

レッスンのとき、先生は5種類ほどのマレットを持ってきてくださいました。
(グロッケンは先生のものを使用しました。自分のものは重くてとても持って行けなかったので)

先生によると、マレットによって音がまったく違うとのことで、「本当はグロッケンを選ぶときに、いろいろなマレットで試打したほうがいいくらい」とのことでした。
(確かに、叩くマレットによって音の印象は全然変わりました)

購入したグロッケンには、下の写真のようなマレットが付属していましたが、レッスンでいくつか試した結果、YAMAHA MR-810 を購入しました。
ヘッド部分が真鍮(しんちゅう)製で、グロッケンのマレットといえば真鍮製、というほどの定番だそうです。

付属していたマレットで叩くと、ちょっと丸い感じのくぐもった音になります。
MR-810は、グロッケンらしく高音がクリアな感じの華やかな音がします。
(比べると違いがわかります)

グロッケンの叩き方は?

レッスンを受ける前に、自分なりに練習していったのですが、そのときは子どもの頃に鉄琴を叩いていたような感覚でやっていました。
実際にレッスンで見ていただくと、「だいたいそんな感じでいい」と言われましたが、いくつかポイントを教わりました。

まとめると、グロッケンの叩き方はこんな感じです。

  • マレットは短めに持つ(真ん中あたり)
  • アップストロークではじくように叩く
  • 鍵盤の中央を叩く

やってみると、アップストロークで安定してしっかり鳴らすのは慣れないと難しいです。
また、右手と左手の差が出ないように鳴らすのも難しく感じました。
しっかり音を出せると、不協和音も少ないような気がします。(気のせいかもしれませんが…)

最初のレッスンでは、島谷ひとみさんの「Jewel of Kiss」 をカホンと組み合わせて練習していって、見ていただきました。
子どもの頃にピアノを習っていたこともあり、グロッケンの旋律を叩くことは割とすぐにできました(音色は別として…)。
カホンと組み合わせて、マルチパーカッションっぽく演奏できるのは憧れなので嬉しかったです。

現在はチャイコフスキー『くるみ割り人形』より「こんぺいとうの踊り」を練習中です。

まとめ

グロッケンについて、特徴、グロッケンが使われている曲、本格的に使いたい方が初めて購入するのにおすすめのメーカーとモデルについてご紹介しました。
また、私がYAMAHAのYG-250Dを購入した経験についてもレビューしました。

グロッケンは小さな楽器ですが、叩くマレットや使い方によってさまざまな表情を作り、曲を盛り上げてくれます。

この記事が、グロッケンに興味を持っている方の参考になれば幸いです。

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