打楽器の耳コピ|初心者でも挫折しにくい、私がやっている耳コピ譜面作成法

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音楽の知識

ドラムやパーカッションの曲を、耳コピで譜面をおこして演奏したい!と思ったけど、

「何から手をつければいいのかわからない」
「フィルが聞き取れなくて前に進まない」
「最初の方だけやって挫折する」

などということはありませんか?

プロが譜面を起こす様子を見ると、曲を聞きながらさらさらと書いていきます。
でもそれはかなり難しいと思います。

私は初心者のころから、レッスンで使う曲など、自分で耳コピして譜面を書いてきました。
その方法は、かなり地道で泥臭い(かもしれない)やり方です。

私は若いころからバリバリに音楽をやってきたわけではなく、ただ打楽器が好きで50代になってからドラムとパーカッションを始めました。
それでも、この手順なら耳コピで譜面を作ることができました。

自分で譜面を起こせると、好きな曲が演奏できるし、音楽やリズムを学ぶよい機会にもなって、やっぱりやってきてよかったと思っています。
この記事では、そんな私がやっている「耳コピで譜面を起こす手順」をご紹介します。

※私は子供の頃ピアノを習っていたので、音符や楽譜に関する知識はありました。
そのためこの記事は、「楽譜はある程度読める」という方むきの内容になっています。

リズムはわかるけど音符にできない時の考え方はこちら↓

採譜の時によく使う反復記号をまとめました↓

曲の選び方

曲を選ぶときは、もちろん叩けそうな曲を選ぶのだけど、”これは割と簡単に耳コピできそう”と思っても、意外と中が細かいなど、実際にやってみると初めて簡単ではないことに気が付くこともあります。
そうなってしまったらがんばって耳コピするんだけど、初めての時はできるだけそういう曲は避けたいですよね…。

こうすれば絶対大丈夫、というのはないけど、一応私が気にしているところを挙げてみました。

  • 音数が多すぎる
    ぱっと聞いただけでフィルが細かいのがわかる、パターンが定番じゃなくてなんだか複雑など。
    最近のおしゃれな曲には、地味にパターンが複雑なものがあります。
  • テンポが速すぎる
  • 古い録音で音が潰れている
  • 変拍子すぎる曲
  • 打ち込みで作られていて、生ドラムでどう演奏するか想像がつかない
    また、打ち込みの曲で、耳コピみたら最初から最後までフィルもなく、全部同じパターンだった…というのもありました。そういうのは楽だけど、「耳コピした」と言えるのか?その通り叩くのか?微妙な感じがします。

このような特徴のある曲は、あまり向かないかもしれません。

でも、これも絶対ではないです。
私が一番最初に耳コピでドラムの譜面を起こしたのは、ジャズの名曲「Sing,Sing,Sing」で、ちょっと古い録音のもので、初心者向きとは言えない気がします。

でも、このフロアタムのパターンをやりってみたいと先生に言ったら、レッスンでみてもらえることになり、最初の耳コピになってしまいました。
(まだ初心者だったので、いつかやりたいくらいのつもりで言ったのですが)
ちょっとあわてたけど、やってみたかったので耳コピ頑張りました!

結局、やりたい曲をやるのはかなり大事だと思います。
”この曲を叩きたい!”と思えば、ちょっと難しくても頑張れる。

また、その曲は何十回も聞くことになるので、
好きな曲じゃないと、聴いてるうちに飽きていやになってしまうというのもあります。

結局、やりたいという気持ちと難易度のバランスなのかもしれません。

準備するもの

音が聞きやすいイヤホン

ドラムやパーカッションの音は、他の音にかぶってよく聴こえないことも多く、性能の良いイヤホンがあった方がいいです。
「性能がいい」というのは、重低音がすばらしいとかじゃなくて、音がそのままによく聴こえるということです。

一般的には、モニターイヤホン、モニターヘッドホンといわれているものがよくすすめられていて、私もそういうものを使っています。

とは言え、最初は手持ちのイヤホンやヘッドホンでいいと思います。
まずやってみて、「なるほど、こういう音が聞こえるものが必要だな」と思ったら、探してみるというので十分かと。

紙―白い紙でも五線紙でも

譜面を書くための紙、これは白い紙でも五線紙でも。
ドラム譜の場合は五線紙の方が書きやすいけど、パーカッションの場合は、私は白い紙を使います。

A4の五線紙を使うなら、A4縦を3枚、マスキングテープでつなげたものは、譜面立てにそのまま置くことができます。

こんな感じ。
私がパーカッションを習い始めたころの、つたない楽譜ですが…

もしくは、A4縦2枚をA4横に縮小コピーしたもの。私は最近はこれを使うことが多いです。

こんな感じ

私はとにかく、演奏中にめくらなくてもいいように、見開き1枚で見れるようにすることを重視します。
どうしても見開き1枚に収まらない場合は、めくるタイミングを考える必要があります。

五線紙はフリーでダウンロードできるサイトがいろいろあって便利です。

例えばこことか→rhythm pallet 五線紙フリーダウンロード
私は、A4縦を貼り合わせて使うときは12段、A4縦2枚をA4横に縮小コピーして使うときは8段のものを使います。

実は、今は私は13インチのiPad Proを使って譜面を書いています。

このような横長の画面で見ています。
譜面を起こすには、ipadは修正や移動が簡単なので便利です。
また、譜面の管理という点では、これ一つで大量の譜面を保存でき、便利に活用している方も多いようです。

もちろん紙派の人も多いですし、紙でも十分です。私もずっと紙に書いてました。
ただ、すでに13インチのiPadとapple pencilを持っている場合は、それを使うのもおすすめです。
アプリは、私はGoodnotesを使っています。

紙に書く場合は鉛筆

紙に書く場合は鉛筆で。
これは、何度も消しては書く。ということになるから。

あと、音楽の専門学校に行ってた時先生から聞いたのですが、暗いステージで照明が当たった時に、ボールペンだと線が飛んで音符が見えなくなることがあるけど、鉛筆で書いた線は見える、ということです。
ほんとかな?自分では経験したことないけど、それを聞いて、私は鉛筆を買って使ってました。

耳コピ譜面を作る手順

では、私がやっている耳コピ譜面を作る手順を説明していきます。

この時、私が心がけているのは完璧を目指さないこと。
完璧でなくてもある程度のところでいったん終わらせて、あとは実際に叩いてみる。
そうすると、何度かやっているうちに聴こえなかった音が聴こえてくることもあるし、自分らしいアレンジが見つかることもある。
練習しながら譜面をさらに修正して、完成させていくと考えるのがいいと思います。

小節を数えて曲の構成を調べる

まず最初にやることは、小節を数えて、曲の構成を把握すること。

プロの方が曲を聞きながら、どんどん譜面を起こしていくのを見たことがありますが、私がそれをやったら、変なところでページが変わったり、途中の難しいところで聞き取れなくて挫折しそう。(いや、挫折します)
プロは、たぶん曲の構成を脳内で把握しながら、譜面を書いていると思います。

なので、最初に曲の構成を把握して、こんな感じの作業になるな、と見積もって心構えをします。
これ、挫折しにくいコツだと思います!
このやり方なら、もしなかなか聞き取れないところがあっても、他のところはできそうだから後回しにしよう、と考えることもできます。

小節を数える時は、4分音符の拍を「1・2・3・4」と数え、4まで行ったら1小節と数える。
次の「1・2・3・4」を数えたら、2小節目。
という原始的な方法でやっています。
数えながらどんどんノートに書いていきます。

雑なノートですがこんな感じ💦
・1,2,3,4というのは四分音符ではなく、小節。
 例えばこの曲のIntroは7小節ある、ということ。
・大体の曲は、4小節ごとに考えるのがわかりやすいので、4小節まで数えたら1に戻って、1,2,3,4を繰り返します。
・聞きながら、イントロ、Aメロ、Bメロ、Cメロ(サビ)なども把握して、書いていく。
・曲のテンポ、それぞれのセクションが始まる時間を書いておくと後で便利です。
・テンポはメトロノームアプリのタップテンポで簡単に測れます
・時間は、音が聞き取れなくて聞き直すときに参考にします。

このノートは1回で聞きとっているわけではなく、何回か聞き直しています。

全体聞くと、同じパターンがどのくらい繰り返されているか、リズムが細かくて大変そうなセクションがあるかなどわかって、作業の目安がつきます。

譜面の枠を作る

小節を数えて曲の構成がわかったら、次は「譜面の枠」を作ってしまいます。
これをやると、全体が目に見える形になります。

書くのは、五線紙でも、白い紙でも。
例えば5線紙を使った場合は次のような感じになりました。

使えるところはリピート、D.S.(ダルセーニョ)、コーダ、1かっこ・2かっこなど反復記号を使って、できるだけ見開き1ページに収まるようにします。

この譜面では、8段の五線紙2枚に入れようとしているのでぎりぎりだけど、紙の14段の五線紙をA4で3枚つなげばもっと入ります。

白い紙に書く時はこんな感じ。

この場合は横に最大8小節かけて、上下の間隔をつめればもっと長い曲も入ります。
パーカッションの時や、ドラムで五線紙に収まらない時はこうすることが多いです。

どうしても見開き1枚に収まらない時は、どこで譜面をめくるか考えて採譜していきます。
ipadで譜面をめくる作業が発生する時は、アプリはForscoreを使っています。

音符を書き始める|まずはパターンから採譜

枠ができたら、いよいよ譜面を書いていきます。
フィルは後回しにして、まずはパターンから。

イントロはこのパターン、Aメロはこのパターン…という風になっている曲が多いので、うまくいけばセクションごとのパターンをひとつ聞き取れば、曲の大部分が書けてしまいます。
フィルはわかったら書いてもいいけど、なかなか聞き取れず、進めなくなって挫折する原因になりがち。
印をつけておいて、後からやります。
曲のパターンを聞き取った後だと、耳が慣れてフィルが聞きやすくなることもあります。

聞いてリズムはわかるけど、音符に書くとどうなるのかわからなくなった💦というときは、私は下の方法で考えています。

例として、前の章で作った枠にパターンを書き込んだもの添付しました。

全体聞きとって、こんな感じかな?と思いました。
参考に、採譜しながら感じたことをまとめました。

  • この曲にはシェイカーが入っているのが特徴で、これがかなりの16分感を出している。
    ドラムだけで同じ感じにするのは難しそう。でもカホンで演奏するならシェイカーが使える、
  • スネアはほとんどクローズドリムショット。譜面に書くと”×”だけど、書くのがめんどくさいので普通の音符で記載。
  • 思ったより中のリズムが細かくて、パターンをひとつ書けばコピーで済むというわけにはいかなかった。同じようなパターンでも、バスドラの位置が微妙に変化していて結局全部聞きとるハメに。

上の譜面は、ブログに載せるため普段よりきれいに書きました。
もしかして、これを見て”なんだか大変そう…”と感じる方もいるかもしれませんが、この曲は私も思ったより大変でした。
曲によるけど、ここまで細かく採譜しなくてもいい場合も多いと思います。

ここまでやれば、フィルを残してほとんど完成したような状態になります。

最後にフィルを書く

全体のパターンを書いたら、最後にフィルを聞き取ります。
もし、キメも聞きとっていないところがあったら、忘れずに書きます。

フィルは最後に難関になるかもしれないけど、もう譜面の大部分を書いているので、ここを書けば終わり。
そう思えば結構がんばれる。

最初よく聞き取れなかったフィルも、すでにパターンをずっと聞いているので、前より聞こえるようになっていることもあります。
音数が多くてよくわからない時は、私は①スネアやタム、②バスドラ、③シンバルという風に、分けて聞き取るとわかりやすいと思います。

曲によっては、特定の演奏法を知らないとそのフィルがどういうものかわからないこともあります。
そういうときは、自分にわかる範囲で書いておきます。
レッスンに持っていくと、先生に「あ、これは○○の△△っていうフレーズで…」と正解を聞けることもあり、それはそれで勉強になります。

参考に(なるかわからないけど)、例としてフィルも書き込んだ譜面は下記の感じ。
(※自分で叩いて確認してない段階のものを例として挙げただけです)

最後のライドシンバルは、アドリブで変化してる感じがしたので、全部はコピーしませんでした。

ダルセーニョやコーダの反復記号のところに、”どこからどこに飛ぶか”を蛍光ペンで書いていますが、これはベーシストの藤谷一郎さんがYoutubeで「譜面には色のペンで書きこんで、本番で絶対見失わないようにする」と話していたので、プロでもそうするんだ、と思って真似しました。

これで、耳コピ譜面起こし作業は終了。
でもこれで完成ではありません。

演奏しながら修正していく

耳コピ譜面ができたら、実際に演奏してみます。
そうすると、「こう聞こえたけど叩いてみると違和感がある」、「自分のレベルではこの通りには叩けない」「こうだと思ったけど、違うな」という箇所がでてきます。

そういう箇所があったら、その都度譜面を修正する。
つまり演奏しながら、譜面を育てていくわけです。

耳コピ譜面は聞き取ったところで完成ではなく、実際に演奏すると気づくことがたくさんある。
そういう意味でも、”完璧に耳コピする”よりも、とりあえず完成させて実際に叩く形にもっていくのが大事なんじゃないかと思っています。

音がよく聞き取れない時の対処法

採譜していると「??よく聴こえない…」ということはよくあります。
そんな時、私がやっていることは―

  1. イヤホンを使って何度も繰り返し聞く。
    イヤホンの性能で結構差が出る。また、繰り返すと耳が慣れて聞こえてくることもある。
  2. ドラムパターンだったら、バスドラの音、スネアの音…という風に分けてひとつずつ聞いていく。
  3. バスドラとベースの音がかぶってよくわからない時は、アタック感がある方がバスドラと考えています。
  4. テンポの速い曲でどうしてもわからない時は、テンポを落とすアプリでゆっくりにして聞くとわかることもある。私はやったことないけど、Youtubeで速度を落とすのもありかもしれません。

この中で一番効果があると思うのは❶です。

初めて耳コピする時にイヤホンを慌てて買う必要はないと思うけど、ずっと続けるならよく聴こえるイヤホンは必須だと思います。(私は、モニターイヤホンとして使えるものを使用しています)
いきなり買わないほうがいいのは、やってみるとどんな性能のイヤホンが必要かがわかるから、という意味もあります。

そして、やはり何度も繰り返して聞くことが1番重要かもしれません。
聞くことで耳も成長する。
私もまだまだ、何度も繰り返し聞いて耳コピすることも多いです。耳コピの上達に近道はないと感じます。

完コピはどこまでする?

耳コピしていると、完璧にコピーしたくなって沼にはまりそうになることも多い。
特に、アドリブで演奏されているところは、どこまでコピーするかいつも迷います。
フレーズの細かいニュアンスを追うときりがない。

同じ曲でもライブになったらまた違う演奏になるだろうし、完コピの意味とは?と思うことも。

でも一方で、そのアドリブをするのは、流れや他の楽器との関係など、何か理由があると思うので、コピーするのも勉強になるとも思います。

先生を見てると、基本のパターンを書いたら、あとはご自分のアドリブで演奏されることが多いと感じます。
私自身で言えば、完コピしたものをその通りに演奏すると硬く、生き生きした感じが出なかったりする。
ほんとはとらわれずに、自分のアドリブで演奏できればいいとわかっているけど。

時々は完コピでプロの感覚を勉強しながら、あとはそんなに深追いせず”基本のパターン”だけでスピード感のある採譜ができるのが理想かもしれません。

今は、そのバランスをとって経験をつんでいくことを目指しています。

パーカッション譜の場合

コンガ、ボンゴなどのパーカッションが曲の中に入っている場合に、私がやっている耳コピの手順は、上に紹介してきたドラムの場合と同じです。
パーカッションでは、五線紙の必要がないので、五線のない紙に書いてます。

ボンゴは高音なので比較的聞き取りやすいけど、コンガは音が埋もれて聞きにくい場合もあります。
コンガの音がわかりにくい時は、右から聴こえるのはコンガで、左はボンゴ…みたいに左右に振り分けられていたことがあって、右耳に集中してコンガの音を追ったこともありました。

コンガはそれこそアドリブが多くて、耳コピでコンガ譜を起こそうと思うと結構手間がかかります。
特に、コンガのソロ。
完全にアドリブの場合が多いので、聞き取るのも大変だし、書き出せたとしても演奏する難易度が高い。
勉強のため、完コピするのはありだけど、実際に演奏する時は、自分流にかみ砕くとか、ソロの持ちネタとして自分のものにするにはどうするか?という話になってきます。
必ずそうとは限らないけど、曲によって右だったり左だったりするかもしれません。

そういえば、初心者のころ、ソロは難しいから…と思って、ソロ以外のパートは耳コピして、レッスンでソロのところは休んでいたら、「いや、何かやって(苦笑)」と言われたことがありました(当たり前)。

ドラムの曲をカホンで演奏する場合

ドラムの曲をカホンで演奏する場合は、ドラムを耳コピしてカホン用にアレンジする作業になります。
これについては、別の話になるので次の記事で書く予定です。

まとめ

私が、ドラムやパーカッションを曲から耳コピして、譜面を起こすときにやっている作業の手順をご紹介しました。
挫折しにくいコツは、

①まず曲の構成を把握する
②フィルは後回しにして、まずパターンを採譜する
③完璧を目指さず、ある程度できたら、あとは自分で演奏しながら譜面を育てていく

だと思っています。
完コピにこだわらず、1曲ずつ完成させていくことで耳コピも上達していくような気がします。

耳コピは、好きな曲を何度も聴いて少しずつ譜面にしていくことの積み重ねでできる、地道な作業。
もし「やってみたい曲」があるなら、まずは1曲、挑戦してみてはいかがでしょうか。

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