TOTOの『Child’s Anthem』、とてもかっこいいけど演奏が難しい曲としても有名なようです。
中のシャッフルのリズムも難しいと思いますが、イントロの頭が無音で、リズムがちゃんと聴こえなくないですか?
(聴こえる方は「絶対リズム感」の持ち主か、経験豊富な方?うらやましいです)
私は、カホンのレッスンを受けていて『Child’s Anthem』を練習することになったのですが、このイントロのリズムがなかなか聴こえなくて困りました。
このため、リズムが聴こえるようにいろいろ試してみて、試行錯誤の結果、なんとか正しくリズムが感じられるようになりました。
結構苦労しました💦
この記事では、リズムが聴けるようになるまで練習したことと、なぜリズムを錯覚するのかについて考察しましたので、それを紹介していきます。
TOTOの「Child’s Anthem」と練習した石川綾子さんの曲
TOTOのChild’s Anthem (子供の凱歌)です。
1978年にリリースされた、TOTOのデビューアルバム「TOTO(宇宙の騎士)」の1曲目で、歌のないインスト曲です。
渡辺謙さんが出演されたSUZUKIの「発電エコカー」のCMに使用されたことでも知られているようです。
このCMの曲は、バイオリニストのデヴィッド・ギャレットさんがカバーしたものです。
私がカホンで練習したのは、バイオリニストの石川綾子さんがカバーした曲で、こちらになります。
こちらもTOTOと同じく、特徴的なイントロから始まります。
なぜこの曲で練習したかというと、先生が石川綾子さんのサポートをされているからなのですが、たぶん、原曲のTOTOの方はバリバリのドラム曲なので、例え練習とはいえカホンでカバーするのは合わないというのもあるかも。
バイオリンの曲もドラムで収録されていますが、こちらのほうがアコースティックの編成を想定しやすいかもしれません。
「Child’s Anthem」イントロのリズム
さて、問題のイントロですが、本来下記のようなリズムです(手書きですみません💦)

4/4拍子で、中が3連で頭が休符。
ンタタタタタタタッタという感じ。
予めこのリズムは調べていて、心の中で「ンタタタタタタタッタ」と予測して聴くのですが、実際聞いてみるとそうは聴こえない。
絶対下のように聴こえる。

頭から始まる3拍子のリズム。
これは、いくら「頭は空白!」と意識してもダメで、効いた瞬間、もう絶対3拍子にしか聴こえません。
”スタタタタタタッタ” 空白を”ス”で意識してみる–失敗
というわけで、困ったことになりました。このままでは本体の練習ができない。
レッスンに行った時(カホンじゃなくてドラムレッスンの時)、「あの曲、頭の休符がわかりません」と先生にお聞きしたところ、
「スタタタタタタタッタ」と、休符を「ス」と言って聴くといいよ!
と教わったので、試してみると、こんな感じになってしまいました。

「ス」が前の小節に食って入って、シンコペーションのように脳内で変換されます。
これはだめですね。
空白がわかりやすい音源から段階的に練習
いよいよ困って、ネットでも検索したのですが、「Child’s Anthem」のイントロで困っている、休符が聴こえないという情報はあまりありませんでした。

私だけ?みんな困ってないのかな(;^ω^)
でも、やはり私と同じように困った方が、練習用の音源を作ってくださっているのを見つけました。
それがこちら。
打ち込みで「Child’s Anthem」のイントロ部分だけを繰り返し練習できるように作られてします。
しかも、何種類かのガイド付き・ガイドなしのプリカウント付き・ガイドなしなど、いろんな切り口でつくられているので、少しずつ難易度を上げて練習できる。
特に2番目のパターンは、あえて間違えやすい箇所にガイドがついているので、これで、一旦間違えて認識した後、正しいリズムにもどる練習をするのがいいように思いました。
これのいいところは、打ち込みの音は、実際に楽器で演奏されたリズムより聴きやすいところです。
なぜだか、実際の楽器よりだまされにくいです。
たぶん、リズムがくっきりしているからでしょうか?
(大変助かりました!)
これを何回か繰り返し聴いて、なんとかガイドなしでリズムが聴けるようになりました。
でも、この段階で石川綾子さんの曲を聴くと、やっぱり駄目になります。
そこで、もう一段階中間の難易度の音源を見つけました。それがこちら。
「Child’s Anthem」のドラムカバー動画です。
こちらは、TOTOの原曲よりもハイハットが聴こえやすいように思います。
また、石川綾子さんのカバー曲ではハイハットが鳴っていません。
このため、この動画でリズムを聴くと、いきなり綾子さんの曲を聴くよりは聴きやすく感じました。
私は次のような順番で繰り返して練習しました。
- 打ち込みの練習用音源でリズムを聴けるようになる
- ドラムカバー動画で、開始40秒くらいから始まるところからリズムを聴きとる
この位置なら予め拍子がとれるので、わかりやすいです。 - 動画の頭の、いきなり始まるところから聴きとる練習をする
- 石川綾子さんの曲を聴いてみる
もちろん、「やる前に正しいリズムをしっかり意識」「頭を足で踏んで、オルタネートで手を動かして、身体に刻み込む」というのもやりました。
頭の無音「ス」も意識しながら聴きました。(ていうか、めっちゃ「ス」と言いながら聴いてた💦)
「ス」の音がきちんととれていると、リズムがずれそうになっても戻せる感じがします。
こんな感じで、毎日少しずつ繰り返していたら、3日目くらいに石川綾子さんの曲で頭がとれるようになりました!
その時は「やったー、聴こえた!」と感動しました。嬉しかったです!
同時に、ほんとにこのリズムで演奏してるんだ…と思いました。
「実際は、休符のない方のリズムで演奏してるんじゃないの?」とちょっと疑ってました💦
(そんなはずはない)
でも、一回聴こえても、何日かやらないでいるとまた聴こえなくなります。
なので、何度も繰り返して脳に記憶させることを目指しました。
やっと、落ち着いて曲の本体が練習できるようになりました。
まあ、聴こえないなりに練習はしてたけど、やっぱりちゃんと聴こえる方が、グルーブなどしっかりつかめますね(当たり前)
リズムを錯覚する理由

ここからはおまけですが、なぜこのような錯覚が起こるかを考えてみました。
ChatGPTに聞くとリズムの錯覚が生じるパターンがいくつかあったので、それと「Child’s Anthem」のパターンから理由を推測しました。
- 人間はリズムを感じる際、その曲の拍を無意識に予測する。
「Child’s Anthem」の場合、頭が無音なので、2音目を頭だと認識する。
そしてその音を基準にして、拍子を予測していく。 - 人間の脳は「だいたいこうだろう」というリズムのテンプレートで曲を聴く
「Child’s Anthem」の場合、中が3連の4/4拍子と考えるより、3連ではない普通の3拍子ととらえた方がなじみがあってわかりやすいため、そっちを選択する。
そして、一旦そう認識すると抜けられない。
「Child’s Anthem」は、いきなり始まる冒頭部以外にも、曲中にも同じリズムがあります。
曲中だとあらかじめカウントをとれるので、1の錯覚は起きにくいはずですが、それでも錯覚しました。
テンポが速いと休符を聞き逃しやすいのかもしれないけど、かなりテンポを落としても、やはり錯覚したので、2の錯覚が強力なのかもしれません。
こういうリズムがあると演奏が難しくなるけど、それが音楽の面白いところでもありますね。
まとめ
以上、「Child’s Anthem」のイントロのリズムが聴こえるようになるまで私が試したことと、錯覚が起こる理由についてでした。
もし、私と同じように困ってるかたがいたら、少しでも参考になると嬉しいです。
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