木の箱の形をしたパーカッション、カホン。
ペルー発祥の楽器で、カホン(cajon)とはペルー語で「箱」という意味です。
演奏するときは、箱の上にまたがって座って打面を叩きます。
もし飽きても、カホンは椅子として使えるから無駄にならない、なんて言われることも・・・
手軽に演奏できて持ち運びしやすく、ドラムのようにに使えることから、ライブなどで目にする機会が増えています。
偶然見かけて興味を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、カホンがどんな楽器なのかをご紹介していきます。
カホンの使われる場面がわかりやすい、おすすめの動画もご紹介しました。
ぜひ最後までご覧ください。
下の記事でもカホンが使われている動画をたくさんご紹介しています↓↓
カホンはパーカッションが初めての方にもおすすめの楽器↓↓
カホンの歴史
カホンの歴史は、16世紀以降に、奴隷として連れてこられたアフリカ人たちが、太鼓の演奏を禁止されたために、かわりに家具や木箱を叩いたのが始まりです。
そして1970年ごろ、スペインの天才ギタリスト、パコ・デ・ルシアがカホンに目を止め、フラメンコのライブに使うためにスペインに持ち帰りました。
この時、打面の裏にギターの弦(響き線)を張るようになり、カホンを叩いた時に弦が振動する音(バズ音=カホンの特徴的な音)が鳴る仕組みができたのです。これが、今のカホンの原型となり、世界に広がるきっかけになったと考えられます。
なお、キューバにもカホンと呼ばれるものがありますが、一般的にカホンというとペルー式のカホンを指すようです。
カホンの構造と叩き方
ペルーで生まれたカホンは、いくつかの変遷を経て現在使われている形になりました。
メーカーや機種によっていろいろなバリエーションがありますが、ここでは、今使われているカホンの基本的な構造をご説明します。
カホンの構造
カホンは木の箱みたいな形で、前が打面になっています。
(FRPのようにプラスチックのものもあります)
叩く場所、打面の裏面には弦(響き線)が張られています。
響き線があることによって、ただの木の板を叩いた音ではなく、スネアのようなバズ音(スナッピーサウンド)が鳴るようになるので、カホンの重要な要素です。
響き線には、弦が張ってあるタイプと、スネアと同じタイプのスナッピーが装着されているものがあります。
スナッピータイプの響き線(カホン内部)
また、箱の後ろには、サウンドホールと呼ばれる穴があいています。
※時々、側面にサウンドホールがあったり、穴がひとつではないカホンもあったりします。
木の素材や工法は、メーカーや機種ごとに特徴があり、カホンの音色や響きの決める重要なポイントであるため、各メーカーがこだわっているところです。
カホンの演奏方法
カホンは箱の上にまたぐように座って、打面を手で叩いて演奏します。
私の先生なのですが、パーカッショニストの福長雅夫さんの動画でとても分かりやすいものがあったのでご紹介します。
こんな感じです!
※この動画はドラムマガジンのシュラグベルク社のカホン試し叩きの中のコンテンツです。興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。⇒⇒「シュラグヴェルクの最新カホン×12を一気叩き! feat.福長雅夫」
カホンは叩く場所と叩き方で音に変化をつけることができます。
叩き方は主に3種類。
- ベース:打面の真ん中より上の部分を手のひらで叩く。ドラムのバスドラのような低い音
- トーン:打面の上部を指を揃えて叩く。スネアの音
- スラップ:打面上部のやや端の方を、スナップを聞かせて指先で叩く。トーンよりも高い音になります。これもスネアの音ですが、アクセントを利かせたいときに。
この他に指先で軽く鳴らすゴーストノートがあります。これはハイハットの役割になります。
これらの叩き方を組み合わせて、ドラムのように演奏することができます。
カホンは持ち運びが簡単でドラムを持ち込めないところでも演奏できることから、ドラムの代用品のように思われることもありますが、アコースティックなカホン独特のサウンドでドラムにはない演奏ができるところが魅力だと思います。
カホンは、シンバルやウインドチャイム、タンバリンなどいろいろな小物を組み合わせてドラムセットのようにセットを組んで演奏される場合も多いです。
また、コンガ、ジャンベなどたくさんのパーカッションと一緒にマルチパーカッションで使われることもあります。
マルチパーカッションでカホンを使っている演奏はたくさんありますが、ここではピアノとベースとパーカッションで演奏している動画をご紹介します。
カホンの演奏動画
ドラムの代用にとどまらない、カホンのアコースティックな魅力がわかる動画をいくつかご紹介していきます。
いずれも少人数編成での演奏で、初めての方でもカホンで演奏するイメージがわかりやすいものを集めました。
Plastic Monster「恋」
こちらはカホンとギターボーカルの演奏です。
星野源さん「恋」のカバーで、速いテンポの曲をとてもかっこよく演奏されています。
一見普通の女の子が演奏している雰囲気を醸し出していますが、お二人はPlastic Monsterという2pieceバンドで活動されていたようです。(現在休止中とのこと)
カホンを演奏しているmikuさんはドラマーなのだそうです。
動画を見ると、カホンて簡単にかっこよく演奏できるんだな~と感じてしまいますが、実際はなかなかこんな風にはいかないかと思います。
でも、カホンを使った演奏のイメージがわかりやすく、すごく参考になるかなと思ってご紹介しました。
YOASOBI「たぶん」「あの夢をなぞって」
YOASOBIご本人たちのアコースティックライブで、カホンを使った演奏の動画がありました。
曲の雰囲気がカホンにぴったりで、よりエモーショナルな感じになっている気がします。
カホンを演奏しているAyaseさんは、昔ドラムをやっていたということですが、ドラマーの方でカホンを演奏できる方は多いです。
やはりカホンはドラムのように演奏することが多いですから、ドラマーにはやりやすいのだと思います。
2曲目は、静かな曲調に合わせて前半はシェイカーを使い、途中からカホンに切り替えて盛り上げています。
これもアコースティックなカホンならではの定番の構成ですね。
→Pia-no-jaC←「TASOGARE」
ピアノとカホンのデュオ→Pia-no-jaC←(ピアノジャック)の演奏動画です。
(39分12秒あたりから再生されます)
→Pia-no-jaC←の演奏を見てカホンに興味を持った方も多いかもしれません。
HIROさんのカホンはパワフルでスピード感がすごくて、個性的でほんとにかっこいい!
このライブの「TASOGARE」は→Pia-no-jaC←の動画の中で、私が一番好きなおすすめです。
ライブの疾走感がたまりません!
カホンの動画をご紹介している記事へのリンクまとめ
カホンの動画は他にもおすすめがたくさんあり、このサイトの他の記事でもご紹介しています。
ここでは、おすすめ動画をご紹介している記事へのリンクをまとめました。
こちらも是非ご覧ください!
■「スペイン」~カホンとベースの演奏
こちらは「パーカッション初心者におすすめ楽器とその難易度」の記事へのリンクになっています。
福長雅夫さんと藤谷一郎さんで。めずらしいベースとパーカッションのスペイン。とてもかっこいいです
■LPのカホンにシグネチャーモデルのあるMona Tavakoliについての記事です。
Monaさんは特にカホンを使った演奏が有名なパーカッショニストで、ここでは演奏動画や演奏方法を説明した動画もご紹介しています
まとめ
カホンのことがわかる情報をいろいろご紹介しました。
カホンは初めてでも音を鳴らしやすく、初心者の方にもとてもおすすめのパーカッションです。
少しでも興味を持っていただければ幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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