カホンはペルー発祥の楽器で、木の箱の形をしたパーカッション。
カホン(cajon)とはペルー語で「箱」という意味なのです。
演奏するときは、箱の上にまたがって座って打面を叩きます。
手軽に演奏できることや、ドラムの代わりに使えることから、アコースティックライブを中心に目にする機会が増えています。
ただの箱のように見えるのに、ドラムのようなリズムが生まれるところはとてもかっこいい。偶然見かけて興味を持つ方も多いのではないでしょうか。
ここでは、「ちょっと見かけたんだけど?」「あの箱は何?」という方のために、カホンがどんな楽器なのか、またどんなふうに使われているのかについてご紹介していきます。
カホンの使われる場面がわかりやすい、おすすめの動画も添付しました。
ぜひ最後までご覧ください。
カホンの歴史
![](https://dagakkilife.com/wp-content/uploads/2023/08/20230820_image4.png)
カホンの歴史は、16世紀以降に、奴隷として連れてこられたアフリカ人たちが、太鼓の演奏を禁止されたために、かわりに家具や木箱を叩いたのが始まりです。
そして1970年ごろ、スペインの天才ギタリスト、パコ・デ・ルシアがカホンに目を止め、フラメンコのライブに使うためにスペインに持ち帰りました。
この時、打面の裏にギターの弦(響き線)を張るようになり、カホンを叩いた時に弦が振動する音(バズ音=カホンの特徴的な音)が鳴る仕組みができたのです。これが、今のカホンの原型となり、世界に広がるきっかけになったと考えられます。
なお、キューバにもカホンと呼ばれるものがありますが、一般的にカホンというとペルー式のカホンを指すようです。
カホンの構造と叩き方
次に、現在使われているカホンの基本的な構造をご説明します。
カホンの構造
カホンは木の箱で(FRPのようにプラスチックのものもある)、打面が前になります。
![](https://dagakkilife.com/wp-content/uploads/2023/08/20230813_cajon01.png)
打面の裏面(つまり箱の内側)には弦(響き線)が張られています。
響き線には、弦が裏面に直接張ってあるタイプと、スネアと同じタイプのスナッピーが装着されているものがあります。
![](https://dagakkilife.com/wp-content/uploads/2023/08/20230813_snappy.png)
スナッピータイプの響き線(カホン内部)
また、後ろの板には、サウンドホールと呼ばれる穴があいています。
※時々、側面にサウンドホールのあるカホンもあります。
![](https://dagakkilife.com/wp-content/uploads/2023/08/20230813_cajon02.png)
木の素材や工法は、メーカーや機種ごとに特徴があり、カホンの音色や響きの決める重要なポイントであるため、各メーカーがこだわっているところです。
カホンの叩き方
カホンの叩き方は主に3種類です。
- ベース:打面の真ん中より上の部分を手のひらで叩く。ドラムのバスドラのような低い音
- トーン:打面の上部を指を揃えて叩く。スネアの音
- スラップ:打面上部のやや端の方を、スナップを聞かせて指先で叩く。カーンという高い鋭い音
![](https://dagakkilife.com/wp-content/uploads/2023/08/20230820_image7.png)
叩く場所のイメージです。
赤い楕円がベースを叩く場所、上の方の左右の水色がトーン、上の端にある緑がスラップの場所です。
3つの叩き方を組み合わせて演奏するのですが、シンバルと一緒にドラムのように演奏することも多いです。
また、いろいろな小物を組み合わせて幅広い表現をすることもできます。ドラムの代わりだけではなく、ひとつのパーカッションとして演奏できるのもカホンの面白いところです。
カホンの演奏動画
カホンが使われている動画をいくつかご紹介していきます。
この動画では、カホンが気軽に使えて楽しめることがわかりますね!
家の中でほんとにこんな風に演奏して大丈夫かは、住んでいる家のつくりや環境によると思いますが、ギターの弾き語りにカホンが加わるだけで、ドラムのようなスピード感が増してほんとに楽しそう。
自分もやりたくなるかも・・・。
こちらはYOASOBIのアコースティックライブでの映像です。
元々はドラマーだったというAyaseさんがカホンを演奏しています。
ドラマーにはカホンの演奏もできる方がたくさんいて、バンドのアコースティックライブでドラマーがカホンを演奏することもよくあるようです。
→Pia-no-jaC←(ピアノジャック)のライブで、新宮市の世界遺産「熊野速玉大社」で行われた奉納演奏だそうです。
HIROさんのカホンは迫力とスピード感がすごくて、圧倒されますね。
カホンの動画は他にもたくさんあって、下の記事もおすすめです。
まとめ
- カホンはペルー発祥の楽器で、スペインのギタリスト、パコ・デ・ルシアによってフラメンコのライブに持ち込まれ、ここから世界に広がっていきました。
- カホンの打面の裏には響き線が張られていて、叩くとスネアのようなバズ音がします。
- 叩き方には、ドラムのスネアに相当する[トーン]、カーンという高い音の[スラップ]、バスドラに相当する「ベース]があり、ドラムと同じような演奏をすることもできます。
- カホンはアコースティックライブで使われることが多いです。
ドラムを持ち込むのが難しい場所でのライブで、ドラムの代わりに使われる一方、アコースティックの響きにこだわったライブでひとつのパーカッションとしても使われています。
(補足)カホンは初めてでも音を鳴らしやすく、演奏しやすいパーカッションです。初心者の方にもとてもおすすめです!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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